Hint非常時の目安の違い

コルチゾールは「多ければ多いほど良いホルモン」ではなく、生理的な範囲内であれば体内のバランスを整えるように働くけれど、過剰になるとむしろ有害で、糖・脂質代謝や骨、免疫などに悪影響を及ぼすことはよく知られています。

これは自然分泌でも同様で、慢性的に高値が続けばクッシング症状が現れますし、薬(外因性コルチゾール)はさらにダイレクトに作用するので、たとえ需要と供給がプラマイゼロでも、「薬で増やす」という行為そのものに、副作用リスクが伴うようです。(体内での調節機構を迂回して直接作用するため)

シックデイについては、「命を守るために、副作用を覚悟してでもしっかり補充し、体調が戻ったら速やかに切り上げる」というスタンスが基本です。活動量や旅行時の増量も、「安心して過ごすための“お守り”みたいなもの」なので、頼りすぎないように必要最小限にとどめるようになっていると思います。

また、シックデイには増量の「目安」はあっても、「適量」を厳密に求めるような運用はみたことがありません。厳密な適量を求めることは困難だからだと思います。

つまり、補充量の“適正”を気にするのは「日常のコントロール時」であって、シックデイや旅行中の増量はあくまで“非常時の対処”。副作用リスクが前提となる対応なので、短期的な体重変化などを基準に判断するものではないということのようです。

ずっと副腎皮質機能低下症や補充療法の基本を学習させている有償AIと、一般的な無償AIで確認したところ、この考え方は「医学的に妥当で、臨床現場の方針や主要ガイドラインとも整合している」と評価されました。受診で主治医にも確認してみましたが、「その解釈で合っている」とのことでした。

2025.8.6 掲載

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※体験をもとに整理した内容であり、医学的助言を目的としたものではありません。医療に関する判断を行う際は、必ず医師にご相談ください。