View補充療法の初動と経過
副腎皮質機能低下症やACTH単独欠損症が疑われる段階では、まずステロイドをどう使うかで、その後の経過がかなり変わることがあると思います。
これは、今になって強く感じていることです。
私の前医も、かなり多めに処方していました。さすがにデカドロンではなかったので救われましたが、それでもコートリル20mgでした。
自発が残っているのに20mg。
当時の私は、その量にどうしても違和感がありました。
まだはっきり診断が固まっていない段階で、本当にそこまで必要なのだろうか。
そんな感覚がずっとありました。
そこで私は、すぐに転院を決めて、同時にコートリルの減薬も始めました。
ただ、ここから先が本当に大変でした。
数日飲んだだけなのに、簡単には減らせませんでした。
外からステロイドに体が依存してしまったような感覚があり、減らすたびに強い離脱症状が出ました。
1.25mg単位で長い時間をかけて減薬し、ベース量をゼロに戻すまでに1年半かかりました。その後の経過は、日記に残している通りです。
私のように副腎機能が弱い場合、コートリルの減薬は本当に過酷でした。
減らすタイミングでは寝たきりに近い日もあり、命をかけた綱渡りのように感じることもありました。
補充療法は、一度飲んだら減らせなくなる人の方が多い、という話にも私は納得しています。
私の場合は、たまたまゼロまで進めることができただけで、決して簡単なことではありませんでした。
おそらくですが、大半の人は途中で心が折れてしまって、そこでギブアップしてしまうのではないかと思います。
「2週間くらいなら大丈夫」という考え方
たぶんですが、処方する側の先生は、
「2週間くらいなら副腎機能は抑制されにくい」
という一般的なセオリーで考えていることも多いのかもしれません。
実際、私が処方された時も、
「2週間くらいなら副作用もないからいいっか」
と小さくつぶやいたのを、私は聞き逃しませんでした。
もちろん、それは一般的な感覚としては珍しくないのかもしれません。
でも、もともと副腎機能が弱い人にとっては、その「少しだけ」「短期間だけ」が、思った以上に重くのしかかることもあると思います。
健康な人の基準でみれば短期間でも、境界線の上にいる人にとっては、そこが「一生ステロイドで暮らすことになる人生」の分かれ道になることもある。
私は自分の体験を通して、そう感じるようになりました。
今になって思うこと
今になって思うと、最初から頓服でも体調維持できていたかもしれませんし、5mgくらいでもよかったのかもしれません。
そうであれば、もっと早く、体調が安定した日常を取り戻せていたのかもしれません。
その後アップデートされたガイドラインでは、まず5〜10mgで様子を見て、どうしても足りない場合にのみ増量する考え方になっています。
私自身は、この考え方の方がずっと自然だと思っています。
最初から多めに入れてしまうのではなく、必要最小限から慎重に見ていく方が、残っている機能を守れる可能性もあるからです。
グレーゾーンの段階で大事だと思うこと
副腎皮質機能低下症やACTH単独欠損症の疑いがあっても、まだ「飲むかどうか迷うグレーゾーン」にいる人は少なくないと思います。
そういう段階では、すぐに強めの補充を始める前に、
本当に必要な量はどのくらいなのか、
頓服で様子を見る選択肢はないのか、
追加の検査や専門医の判断を待てないのか、
そうしたことを丁寧に考える余地があってもいいのではないかと思います。
もちろん、明らかに危険な状態なら話は別です。
でも、まだ余力が残っていて、判断に迷う段階なら、慎重すぎるくらいでちょうどいいこともあると思います。
私のように、副腎機能が弱い人は、ステロイドを一度飲むと減らせなくなることもありますし、減らす過程そのものが非常に大きな負担になることもあります。
これから治療を考える側の患者さんは、
「とりあえず始める」前に、よく調べて、できれば専門の先生と相談しながら、慎重に決めてほしいと思います。
最初の一歩で、その後の日常が変わってしまうこともある。
私はそう感じています。
