FAQQ.なぜ「副腎疲労」という言葉を使わないのですか?

HPA軸の機能が落ちる原因は、副腎皮質機能低下症だけではなく、ステロイド以外の薬剤の影響や、慢性的なストレス・トラウマの蓄積など、いくつかのタイプがあると言われています。

その一部にあたると考えられていた「副腎疲労」は、もともと慢性疲労やストレス反応を説明する“仮説的な用語”として広まったものの、医学的な検証や診断基準が曖昧で、本当は「ストレス応答のリズムが乱れているだけ」というケースが含まれている状況だったそうです。そのため、近年のHPA軸機能障害に関する論文にもまとめた通り、HPA軸機能障害を「副腎疲労」とは切り分けて考え、その表現を使わない方向にシフトしているものが多く見られます。

また、欧米の副腎皮質機能低下症の患者コミュニティや専門的な場でも、「副腎疲労」という言葉を使ってしまうと、正確な理解を得にくく、軽く受け取られてしまうことがあるため、その表現を使わないようにしている人が多い印象です。

2025.11.8 掲載

※副腎皮質機能低下症の闘病に関して、メッセージやDMでいただいたご質問に、私自身の体験談として回答した内容を記録しています。ご質問はメッセージから受付しています。