FAQQ.2週間の増量は短期だから副作用はない?
欧米ガイドラインの前提そのものが「短期=数日」で、数日以内に戻す前提で書かれています。US Endocrine Society、European Society of Endocrinology、英国のSick day rules、JAMAやLancetの総説など、どれを見ても「2週間の増量を短期」と扱っているものはありませんでした。
シックデイはあくまで、発熱や感染症、嘔吐、強いストレスに対する“一過性の対応”なので、通常は「長くても数日」という考え方が基本なんだと思います。
また、副腎が健康な人を対象にした一般的なステロイド治療でも、「短期」の明確な定義が統一されているわけではありませんが、7日以内や7〜14日程度を短期として扱う研究は多いようです。ただ、この範囲でも高血糖や感染リスク、精神症状、不眠などの副作用は報告されています。
補充療法中で体調不良の時期でも、2週間の増量を「短期だから副作用はない」と言い切るのは、エビデンス的に成立しないので、増量が必要なら必要なだけ入れて、治ったら早めに戻していく方が、安全性も回復にも合っていると思いました。
2025.11.21 掲載
※副腎皮質機能低下症の闘病に関して、メッセージやDMでいただいたご質問に、私自身の体験談として回答した内容を記録しています。ご質問はメッセージから受付しています。
