Mind恋愛や結婚について

慢性疾患を抱えていると、恋愛や結婚に対して不安を感じることがあるかもしれません。体調の波が激しく、突然の不調やエネルギー不足で予定をキャンセルしたり、日常生活のサポートが必要になることもあります。自分にとっては当たり前の症状や制限でも、パートナーにとっては理解しにくく、「どう接すればいいのかわからない」と戸惑わせてしまうこともあるかもしれません。

「この病気を理解してくれる人はいるのだろうか?」「相手に迷惑をかけてしまうのでは?」と不安になり、特に病気のことをいつ、どのタイミングで伝えるか、どこまで共有すべきかと悩む人も多いのではないでしょうか。

しかし、欧米のコミュニティでは、副腎皮質機能低下症を抱えながらも素敵なパートナーと出会い、支え合いながら幸せに暮らしている人たちがたくさんいます。この病気の方々が、パートナーとどのように向き合いながら、より良い関係を築いていけるのか──私は、欧米のコミュニティの経験談からそのヒントを学び、自分の関係にも活かしました。

体験者の声
  • 診断されて5年後、出会って2年で結婚し、幸せに過ごしている。
  • 夫婦共に副腎皮質機能低下症で、お互いに薬を分け合うことも(笑)
  • パートナーとの関係には影響しなかった。大事なのは自分の考え方かもしれない。
  • 「自分は負担だ」と思うと、周りもそう扱う。堂々と生きるべき。
  • 病気があっても、自分らしく生きることが大切。
  • 恋愛の際は最初から正直に話せば、真剣な相手だけが残る。
  • 前の夫は私の病気を受け入れられず離婚。その後出会った人々の方がよほど理解があって幸せ。
  • 重病で寝たきりでない限り、出会いはある。

大事なのは、「この病気を理解してくれる人がいるか?」ではなく、「どうやって理解してもらうか」。待つのではなく、自分から伝え、行動することが大切ということを学びました。

私の体験談

私自身も、長年原因不明の体調不良を繰り返しながらも、比較的安定していた時期に今の旦那さんと出会いました。その後、体調が悪化した頃に結婚し、診断がついたことでようやく病気をコントロールできるようになりました。

最初から完璧な理解があったわけではありませんが、私自身がしっかり病気と向き合い、健康を大切にする姿勢を見せ続けたことで、旦那さんも少しずつ理解を深めてくれるようになりました。今では、私の体調を私以上に察し、週末の朝には自主的に朝食を作ってくれるなど、私が少しでも休めるよう気遣ってくれるようになっています。

恋愛や結婚は「誰と出会うか」だけでなく、「どのように関係を築くか」も大切です。お互いに歩み寄りながら理解を深めていくことで、より良い関係を築けるのだと実感しています。

大切にしていること

健康な人同士の恋愛や結婚でも、「相手が自分のことを分かってくれない」と感じることはあります。どちらかが慢性疾患を抱えている場合は、なおさら難しく思えるかもしれません。でも、ただ「分かってほしい」と願うのではなく、自分がどのように病気と向き合っているかを伝え、行動で示すことがとても大切でした。

  • 自分の体調を整える努力をする
  • 「どんなときに、どうなるのか」を具体的に伝える
  • 感謝の気持ちを忘れない
  • 元気なときは自分からもサポートをする

例えば、「今日は調子が悪い」と言うのではなく、「低血糖でふらついているから、少し横にならないといけない」や、「無理をすると副腎クリーゼになる可能性がある」と具体的に伝えることで、相手もどう対応すればいいのかが分かりやすくなります。

最初から完璧な理解を得るのは難しくても、できる限りの努力を続け、病気と向き合う姿勢を見せ続けることで、少しずつ相手の理解も深まっていき、より良い関係を築けました

頼ることも大切

「こんな私が恋愛してもいいのかな?」「パートナーに迷惑をかけてしまうのでは?」と考えてしまうこともあるかもしれません。でも、関係を築くうえで、相手のサポートを素直に受け入れることも大切です。「支えること」も愛情のひとつだからです。

実際に私の旦那さんも、最初は病気について詳しくありませんでした。しかし、私が体調管理に真剣に向き合い続けたことで、今では私以上に体調を察し、無理をし過ぎている時は「ちょっと休んだら?」と気遣ってくれるようになり、調子が悪そうな時は先回りしてサポートしてくれるようになりました。

そのかわり、元気な時はできる範囲で精一杯のお返しをすることも心がけています。些細なことでも「ありがとう」と伝えたり、パートナーが疲れている時は私がサポートしたりすることで、お互いに支え合える関係になっていくのだと感じます。

こうして、お互いを思いやりながら支え合うことで、無理をしすぎず、安心して頼れる関係を築くことができました。もちろん、簡単なことばかりではありません。でも、自分の体調を大切にしながら、パートナーとの理解を深め、サポートしてもらったときには感謝の気持ちを忘れない。この積み重ねが、より良い関係を築くカギになりました。

恋愛でも結婚でも、お互いに支え合える関係を育んでいけることが理想ですね。

2025.1.30 掲載