Mind理解を広げる挑戦
ビジネスや社会では、どれだけ努力をしていても、結果を出せない人は相手にされないのが現実です。そして、悲しいことに、社会は健康であることを当たり前とみなし、病気を抱えている人には冷たく、不利な状況を押し付けることが少なくありません。
私が暮らしている環境でも、病気を抱えている人に対する理解が十分ではなく、結果を求められる場面が多いため、経営者で難病になった時点で、「自分の健康を自分でマネジメントする覚悟」が必要不可欠でした。
理解されない厳しさ
まだコートリルを毎日服用していた頃の話ですが、地元の経営者との社交の場に参加した際、「難病だから〇〇が健康な人と同じようにできない」ということを考慮してもらえることはなく、むしろ「それを言い訳にしてはいけない」というプレッシャーや、自己管理不足と捉えられるような冷たい視線を感じました。
経営者にとって、難病であることは紛れもないデメリットでした。ビジネスシーンでは特に、健康な人と同じ基準で判断されるだけでなく、それ以上の成果を求められる場面も多く、厳しい現実を痛感しました。
取引先に病気のことをカミングアウトした際も、理解や配慮を期待していましたが、実際にはそのような反応を得られず、契約解除に至る案件もありました。それでも、95%の長い付き合いをしていたクライアントさんたちは、私の状況を理解し、これまで以上に信頼を寄せ、支えてくださいました。
そのおかげで、私は新たな希望を持ち、全力で体調管理に取り組み、闘病でもビジネスでも良い結果を出すための努力を続けることができました。
結果を出すための行動
ビジネスで良い結果を出すためには、その基盤となる体調管理が欠かせません。私は病気を言い訳にせず、健康な人と同じ土俵で勝負するために、できることには全て取り組み、排除できるリスクは徹底的に取り除く選択をしました。
治療法がない難病の場合、自分の「行動」や「選択」の積み重ねによって結果がついてくる部分が大きいため、私は日々、自分自身に問いかける習慣を大切にしています。
- 今日の行動は、未来の健康にどう繋がるか?
- この選択は、私の体にとってプラスになるか?
- 小さな一歩でも、続けることで大きな成果に繋がるのではないか?
実際に、やった分だけ手応えがあり、何より自分が「自分の健康をコントロールしている」という実感を持つことで、前向きな気持ちに繋がりました。
言い訳をせず、健康な人並みのポテンシャルに近づける努力を続けた結果、社交の方々は「病気なのに頑張って貢献している」と評価してくれるようになり、無理のない範囲で私の状況を考慮しながら接してくれるようになりました。
この状況を作るのに、1年半以上の時間がかかりましたが、理解を得られた今では、必要な配慮をいただきながら、自分らしく活動できる環境が整いました。
共に生きる社会の実現
このように、地域の経営者の方々が難病の人を社会の一員として受け入れることの大切さを理解してくださることで、難病を抱える人々が雇用され、新たな価値を生み出す機会につながると信じ、啓発活動や情報発信に努めています。
地域や職場で難病に対する理解が広まり、多様性を受け入れる動きが生まれることで、困難に直面している人々に希望や勇気を届けられるのではないかと思います。ただし、そのような社会を実現するには、難病を抱える人自身が前向きに努力する姿勢も不可欠だと感じています。
こうした考え方ができるようになり、病状を安定させ、健康な方々と同じように活動に参加し、仕事でも成果を上げられるようになったのは、旦那さんからの助言や、徐々に理解を示してくださった方々、そして何よりも親身になって支えてくださる主治医やかかりつけ医の皆さんのおかげです。
これからも、自分にできることを精一杯取り組みながら、協業させていただいているクライアントさんの利益を追求し、社会貢献に努めるとともに、難病への理解を深め、多様性を広げるための活動を続けていきたいと思います。