
第87話「喘息と副腎機能」
私は2022年に副腎皮質機能低下症と診断され、「おそらく生涯にわたってコルチゾール補充療法が必要」と言われました。思った以上にコントロールが難しく、試行錯誤の連続でしたが、そんな中で取り組んだのは、コントロール不良な喘息発作を、どんな手を使ってでも出さないようにすることでした。
喘息発作と負のループ
喘息と副腎機能の関係は、まさに「負のループ」です。喘息のコントロールが悪化するとステロイドの使用量が増え、もともと弱めな副腎機能がさらに抑制されてしまいます。すると、炎症を抑える力が弱まってしまうので、喘息もさらに悪化します。結果的に、またステロイドを増やさざるを得なくなり、この悪循環に陥る人は少なくないと思います。
私はこのループを断ち切るために、「発作を出さない」ことにフォーカスしました。そのために、服薬以外の対策として、グルテンフリー・カゼインフリー・甘いもの断ちなどの生活改善を取り入れ、自分でコントロールできる部分を最大限活用しました。その結果、気道の炎症が減り、基礎的な炎症レベルが下がったことで、少ないステロイドでもコンディションを維持できる状態に持っていけたのだと思います。
加えて、短期的に「発作を抑える」のではなく、「そもそも発作を起こさない体づくり」を意識しました。この長期的な視点での自己管理こそが、私が負のループから抜け出すカギになりました。
ACTHの上昇(回復の兆し)
そんなライフスタイルを続けていたあるとき、ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)がポンと上がる瞬間をキャッチしてもらえました。これは、大きなターニングポイントでした。喘息が理由で摂取するステロイドをなるべく減らし、コルチゾール補充をプラマイゼロに調整しつつ、体に優しい食事を続けたことで、HPA軸が「もう少し自力で頑張れそうだ」と反応した瞬間だったのかもしれません。
そこから無理のないペースで補充療法をゼロにし、喘息も2年近く安定していたので、吸入ステロイドも思い切って漸減しました。最終的に、摂取するステロイドをゼロにすることができ、副腎への負担をさらに減らすことができました。
適度な運動の継続
ここまで来て、やっと「適度な運動を継続できるコンディション」になりました。HPA軸(視床下部ー下垂体ー副腎)の機能は、適度な運動を長期間続けることでストレス耐性が向上する方向に適応すると言われています。関連する文献を読み、同じ病気の先駆者の体験談も参考にしながら、激しすぎる運動ではなく、負担の少ない適度な運動をジワジワと続けました。
1年ほど継続したところ、本当に少しずつですが、ストレス耐性の向上を実感できるようになりました。色々なことにチャレンジせずに、毎日大人しく暮らすなら、十分なレベルまで回復できたのかもしれません。でも、それは私の望む形ではないので、少しずつストレス耐性を高めて、「コートリルに頼らずにできること」を増やしていきたいと思っています。
そのための基盤は、やっぱり「健康であること」です。何事も、薬だけに頼るのではなく、良質で美味しい食事・適度な運動・睡眠・ポジティブに日々を楽しむことを大切に、体に優しいライフスタイルを続けていきたいと思います。
グルテンフリーの選択肢
余談ですが、グルテンフリーでも食べれるものについて書いておこうと思います。私はディナーは外食が多いライフスタイルですが、なるべく質の良いお店を選ぶようにしています。グルテンフリーだと、パスタ・ピザ・パンなどは選択肢から外れるのですが、グルテンフリーな麺料理を見つけると、つい試したくなります。
気に入っているお店の麺料理には、栄養豊富な食材がたくさん使われていて、食べごたえもあります。麺料理といっても、糖質メインの一品ではなく、たんぱく質やミネラル、食物繊維などがバランスよく摂れるのも魅力です。美味しく楽しめるだけでなく、体にもやさしい選択肢になっています。