第41話「アドバイス」診断から1年3ヶ月

副腎皮質機能低下症の症状はとても多様で、数値では測れない不調も多く、コントロールが難しい病気です。

主治医のS先生によると、十分な量のコートリルを服用していても体調が安定しにくい患者さんは少なくなく、朝の時点で不調を感じる場合、その日は終日体調が優れないことも多いそうです。特に、補充の判断を誤って強いコルチゾール不足になった場合は、元の状態に戻るまで数日かかることもあるとのことでした。

私自身は、朝の不調は午前中のうちに回復することが多いのですが、判断を誤って酷いコルチゾール不足になった際には、S先生の言葉通り、回復までに数日を要することがありました。

内分泌の専門医のS先生からのアドバイスに加え、呼吸器科で通っている病院の内分泌のT先生とのお話からも、多くの気づきがあったので、内容をまとめておこうと思います。

副腎の状態

私の副腎は、ACTHが出せる時と出せない時があり、非常に気まぐれな状態です。これは負荷試験の結果そのままのような状況で、常に出せなかった頃に比べれば、病気を意識せずに過ごせる日が増えました。ただし、非日常な活動や疲労をきっかけに、コルチゾール不足を起こすことがあるため、油断はできません。

テーパリング

コートリルはとても繊細な薬で、30mg以下の服用では、細やかなテーパリング(減量調整)が必要だそうです。ほんの少しの誤差でも不足したり、逆に余ってしまうことがあり、まさに私が日常的に体感していることでした。特にシックディ後は慎重にテーパリングを行うことが大切との指導を受けました。

飲み合わせ

コートリルは飲み合わせや食べ合わせの影響を受けやすいため、吸収が悪くなっていたり、逆に効きすぎてしまっている場合は、併用薬の見直しで改善することがあるそうです。これは、服用初期から意識して取り組んでいたことでした。

併用注意の記載がない薬でも、なぜかその人には合わず、断薬によって体調が改善したというケースもあるそうです。肝機能や代謝にも大きく影響するため、その点も見直しのヒントになります。

比較的少ないコートリルの量で安定している場合は、飲み合わせをそこまで心配しなくても良いそうですが、適量を服用しても体調が整わない場合は、服用中の薬やサプリ、食品などを見直すことで、改善の糸口が見つかるかもしれません。

何が影響しているかは人それぞれ異なるため、最終的には体感を頼りに精査するしかありません。この点については以前から欧米の情報でも把握していましたが、T先生から実際に除去によって改善した日本の患者さんの事例を伺い、確信を持てました。私も今のライフスタイルを続けていこうと思います。

ストレス

炎症や活動量からくるストレスだけでなく、精神的なストレスもコルチゾールに大きく影響します。健康な人よりもストレス耐性が低いことを自覚し、無理をしすぎず、疲れすぎないようにすることが、コルチゾール不足を防ぐ唯一の方法です。見た目では分かりにくい病気なので、周囲の理解を得ることも大切だと感じています。

予備能について

副腎の予備能が残っている場合でも、コートリルを過剰に摂取し続けると、その予備能が抑制されてしまうそうです。そのため、最小限のコートリルで体調を維持することが、将来的な予後にも関わる大切なポイントになります。

この考え方は、同じ病気の先輩の萩本舞さんのSNS投稿を通じて初期から意識していたことでした。舞さんの「元気になるのが目標ではなく、まずは今より悪くならないのが目標」という言葉を指針に、量を増やさないよう注意しながら、薬以外の方法で体調を整える努力を続けてきました。その結果、少しずつ不調が減り、必要なコートリルの量も自然に減っていったように思います。

主治医のS先生、T先生をはじめ、同じ病気の方々のブログやSNS投稿からも、多くの知恵と励ましをいただいています。皆様、本当にありがとうございます。これからもコルチゾール不足にならないよう気をつけながら、冬に向けて体調を整えていこうと思います。

2023.10.15 掲載

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